
京都宇治市でゴム製品の加工を行っている株式会社西山ケミックスです。
ゴム製品を長く使用していると、表面にひび割れがある、以前より硬くなった、膨らんで形が変わっている、など見た目や触ったときの変化に気づくことがあります。こうした変化は、ゴムの劣化が進んでいるサインの可能性があります。ゴムの劣化は、使用温度や紫外線、オゾン、油、薬品、繰り返し変形など、さまざまな要因によって発生します。また、複数の要因が重なっている場合もあるため、症状だけを見て原因を判断することは容易ではありません。
今回は、ゴムに見られる代表的な劣化症状と考えられる原因、材料選定や試作による改善方法について紹介します。
ゴムの劣化で見られる代表的な症状と原因
ゴムの劣化にはさまざまな種類があります。まずは、外観や触感から確認しやすい代表的な症状を紹介します。
表面のひび割れ(クラック)

ゴムの表面に細かな亀裂が入っている場合、オゾンや紫外線、熱などの影響が考えられます。特にオゾンによる劣化では、ゴムに引張応力がかかった状態で表面にクラックが発生し、徐々に亀裂が深くなることがあります。
【考えられる原因】オゾン、紫外線、熱、繰り返し変形 など
硬化

柔らかかったゴムが以前より硬くなった場合、熱や酸化、経年劣化などが考えられます。ゴムが硬化すると弾性が低下し、シール材であれば密封性が低下するなど、製品としての機能に影響する場合があります。外観上は大きな変化がなくても、触ったときの硬さが以前と違う場合には注意が必要です。
【考えられる原因】熱、酸化、経年劣化 など
膨潤・変形

ゴムが以前より膨らんでいたり、寸法が変化していたりする場合は、油・溶剤・薬品などとの相性が関係している可能性があります。ゴム材料によって耐油性や耐薬品性は異なるため、使用環境に適していない材料を選定すると、膨潤や軟化が発生することがあります。シール部品では、膨潤による寸法変化が組み付け不良やシール性能の低下につながる場合もあります。
【考えられる原因】油、溶剤、薬品 など
変色(黄変)

ゴムの色が黄色っぽく変化することがあります。紫外線や熱、酸化、薬品などの影響に加え、材料の種類や配合、加硫材などが黄変に関係する場合もあります。特にシリコーンゴムでは、加硫材の変更によって黄変の進行を抑えられるケースもあります。原因を特定するには、使用環境や材料、配合などを含めて確認することが重要です。
【考えられる原因】紫外線、熱、材料・配合成分の影響 など
白化

ゴムの表面が白っぽく変化することがあります。ゴムの配合成分が表面に移行して白く見えるブルームなどが原因となる場合があるほか、紫外線や劣化の影響によって白化するケースもあります。
【考えられる原因】紫外線、酸化、薬品、成分の移行 など
ベタつき

ゴムの表面がベタベタする、粘着性が出てきたという場合には、軟化や成分の移行、油・薬品などの影響が考えられます。高温環境では、ゴムの性質が変化しやすくなる場合もあるため、使用温度も原因を考えるうえで重要なポイントです。
【考えられる原因】軟化、成分の移行、油・薬品、高温 など
欠け・破断

ゴムが欠けたり、裂けたりしている場合は、材料そのものの劣化だけでなく、使用中に加わった応力や繰り返し変形が関係している可能性があります。劣化によってゴムの柔軟性が失われた状態で繰り返し変形すると、クラックが進展し、最終的に破断につながることがあります。
【考えられる原因】劣化、応力、繰り返し変形など
西山ケミックスでの材料変更の試作・比較方法

ゴムの劣化対策として材料を変更すれば必ず問題が解決するとは限りません。ゴム製品は材料や配合だけでなく、硬度、製品形状、寸法、成型条件、使用環境などさまざまな要素が関係しています。そのため西山ケミックスでは、材料変更を検討する際には、候補となる材料で実際の製品形状に試作し、変更前の材料と比較・確認をしています。材料変更の検討は次のような流れで進めます。
1. 使用環境を確認する
温度、接触する薬品、紫外線など、製品が使用される環境を確認します。
2. 必要な性能を整理する
耐油性や耐熱性、耐候性など、製品に求められる性能を明確にします。
3. 候補となるゴム材料を選定する
使用環境や必要な性能を踏まえ、適した材料を検討します。
4. 実際の製品形状で試作する
候補となる材料を使用し、実際の製品形状で試作を行います。
5. 変更前の材料と比較・確認する
硬度・寸法・外観・シール性などを確認し、材料変更による効果や影響を確認します。
このように段階を踏んで検討することで、材料変更による効果を確認しやすくなります。一つの性能だけを見るのではなく製品に必要な条件を整理し、試作を通じて総合的に評価することが大切です。
西山ケミックスでの材料変更によってゴムの劣化を改善した事例

実際にご相談いただいた事例として、シリコーンゴム製品を使用しているうちに短期間で黄変してしまうというケースがありました。シリコーンゴムは、耐熱性や耐候性に優れた材料のひとつですが、使用環境や材料の配合などによっては、時間の経過とともに色調が変化することがあります。今回のケースでは、黄変の原因としていくつかの可能性を考え、そのひとつとして加硫材の影響に着目しました。使用していた加硫材を別のものに変更し、実際の製品形状に合わせて試作を実施。従来の配合と変更後の配合で製品を作り、外観や色の変化を比較しました。その結果加硫材を変更した試作品では、従来品と比べて黄変するスピードを抑えられることが確認できました。
このようにゴム製品の変色については、単純に材料そのものを変更するのではなく、配合や加硫材などの条件を見直すことで改善につながる場合があります。ただしシリコーンゴムの黄変を完全に防ぐことは難しく、加硫材を変更すれば必ず黄変しなくなるというものでもありません。実際の製品では、使用温度・使用環境・製品形状・材料の配合・成型条件などさまざまな要因が影響するためです。そのため黄変対策を検討する際には、実際の製品形状で試作し条件を変えながら比較・検証することが重要になります。
まとめ
西山ケミックスでは金型を使用した成型方法を採用しているため、材料や配合を変更した場合でも、実際に使用する製品形状で試作し変更前の製品と比較することができます。また、国内の自社工場で対応しているため、試作から比較確認までスピーディーに進めることが可能です。
ゴムの劣化は、症状だけでは原因を特定できない場合があります。ゴム製品の劣化原因に悩まれている方、材料変更の試作を試したい方は、一度西山ケミックスへご相談下さい。
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